音楽一家で育ったこともあり、高校生まではずっと音楽をやっていました。プロの演奏家になった兄を見ていて、その業界でやっていくことの難しさを感じていました。ガソリンスタンドに勤めながら近くのバイク屋でお世話になり、そこでまるでわが子のように可愛がってもらうように。そこからバイクにどんどんのめり込み、自分の好きなことを仕事にしたいと思ってウエマツの門をたたきました。ただ、商社に勤めていた父は、私の就職をあまり良くは思っていなかったようでした。

入社当初は「整備士としてやっていこう」というビジョンを持っていましたが、納車や買取りの際にお客様と話す機会があり、その時の会話でお客様へ熱を伝えたり、逆にお客様のバイクへの熱い想いを聞いたりする接客もしばしば。そんなお客様と接する経験の中で、「これは自分に向いている仕事かも」と自信を持つことができました。その後、会社側から整備と営業のどちらをやりたいか聞かれた時、私は迷わず営業と答えました。社長へ自分の声がスグに届き、その想いの実現スピードが非常に早かったです。

営業に配属され2年後に主任に任命されました。現在ではホームページの管理業務も行っています。商品紹介の写真レイアウトやコピーライティングなど、親近感を持ってもらうことを意識して、お客様目線で考えるようにしています。購入されるお客様は、本当に皆さん購入を悩み、それぞれの事情を抱えています。気に入る絶版車との出会いは縁でもありますので、できるだけ応援したい。ある時、欲しいバイクを見つけた高校生がいましたが、もちろん資金は全然足りない。じっくりと話を聞き、私は彼と月々10万円ずつを支払うという特別な契約を結びました。彼は毎月自分で稼いだお金で支払い、その間バイクは会社で預かることにしました。1年間キッチリ支払い続けたその彼の、ようやくバイクが手に入った時の顔を今でも忘れられません。直接お客さまと話す機会が多いので、一人ひとりに合ったバイクを提案し、楽しいバイク生活を送っていただきたいと思っています。

最近では、父が私の頑張りを見て認めてくれるようになりました。将来的には地元横浜で支店を任せてもらえるような存在になりたいですね。

好きなバイク：CB400Four